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石積みから始めた小さなログハウスづくり!

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2022年9月18日更新


こんにちは ご訪問ありがとうございます。

 

この記事は平成の時代に約10年の歳月を掛けて作り上げた小さなログハウスづくり!整地から完成までの作業記録です。

 

石積みから独立基礎、木造の土台までは殆ど単独作業、ログハウス本体は岐阜県のメーカーさんにお願いしたものです。

目次

 

 

 

➀落葉樹の森に魅力を感じた

 

1991年7月 新聞の折り込みに一枚のチラシが入っているのを見つけた。

 

バブルの時期にはよく見かける山林分譲のチラシだ。

  

現地は自宅から車で1時間位で行ける位置にあり比較的近距離であった。

 

『ちょっと見に行ってみようか』…軽いノリでドライブがてらに現地に向かった。

 

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道路脇に設置されている案内看板に沿って走るが、道はどんどん細くなり対向車が来れば相当の距離をバックしなけれいけないような所だ。

 

どうか前から車が来ませんようにと、祈る気持ちで狭い区間をようやく通過。

 

一安心していたのもつかの間、目の前に現れたのは急な上り坂だ!

 

一旦車を停車させ、当時は5段ミッションの車をローをギヤに切り替え、登り始めた。

 

しかし登り坂があまりにも急で危うく途中停止しそうになった。

 

一度止まったらバックで登り口まで戻らなくてはならない。

 

悪銭苦闘の末に現地駐車場にたどり着いた。

 

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現地案内場には二人の担当者が居て、真夏だったこともあり冷たい飲み物を頂いた。

 

女性の担当者が、まだ小学生だった上の男の子にカブト虫をくれたので大喜びだった。

 

土地と言っても平坦なところは皆無で30度以上有りそうな急傾斜地だ(崖と言った方が適切かも知れない)コナラや松、山桜等里山ならではの雑木林だ。

 

そんなところではあるが、バーベキューをする結構広い小屋が有り、広い池には鯉が沢山泳いでいた、担当者の話では社長が楽しみで作った池らしい。

 

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また、井戸水は各区画まで送水用のホースが設置されて、何時でも水が使える状態になっていた。

  

遊びのつもりで見に来ただけだったが、雑木林の森や現地のロケーションが段々と気に入りはじめた。

  

当時は会社生活の中で時間に追われる超過密な仕事をしていた事もあって、爽やかな夏山の中でのんびりした時間を過ごすことはとても魅力的に写った。

  

連れ合いともいろいろ相談して、小さな1区画を購入する決断をした。

 

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➁里山通いが始まる!

 

購入してからは毎週、車で遊びに行くことになった。

 

対向車とすれ違い出来ない狭い道路や急傾斜の上り坂も次第に苦にならなくなった。

 

当たり前の様にスイスイ走れるようになってきた。慣れというのは恐ろしいものだ。

 

現地まで車で横付け出来るのが何よりだったが、なにしろ立っているのがやっとの傾斜地だ。

 

突然『お父さん平らな所作れば?』連れ合いが発した何気ないその一言で私のやる気に火が着いた。

 

➂石積みで斜面を平らに整地

 

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私は、現地までの山林地帯に建つ民家の姿が頭によぎり、瞬間的に石積をやろうと即断即決した。

 

しかし、石積用の石をどうやって調達すればいいのか?それはたまたま斜面工事をしていた工務店さんに直接相談をして、石をトラックで運んでもらうことになった。

  

トラック一車2トン、当時の価格で5000円だった。

 

安いと思って運んでくれた担当の方に聞いてみると、山を切り開く時に出てくる言わば捨て石とのことであった。 

  

捨て石と言っても、素人からすれば綺麗な花崗岩?に見えた。

  

『石積に使うので人力で動かせるくらいの大きさでお願いします』

 

私のそんな希望に工務店さんが応えてくれて、本当に石積みし易い形に整えて現地に搬入してくれた。

 

本当にありがたい感謝の気持ちで缶ビールのケースを事務所まで持っていき直接お礼を言ってきた。

 

石積の搬入と併せて砂利・山砂も運んでもらうことになった。

  

会社勤めをしながらの石積作業だが、急傾斜地に少しづつ人が真っすぐに立って居られる土地が出来始めて来た。

  

石積用の石・砂利・山砂の㍛セットが毎週のように運ばれ、私は毎週末、土曜日曜で石積みを行った。

  

一カ月の間に14日間も通って石積みをやった月もあったくらい夢中になった。

 

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積み上げる達成感

 

 

 

2019年現在の写真

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人力で1段づつ石を積み上げては隙間に砂利と山土を込めて踏み固める、また石を積み上げる。

  

この作業は体力も精神力も必要だが、積み上がる達成感は言葉では言い表せないくらいだ。

  

ただ単に石積と言っても山側に75度位の傾斜を付けている。

  

【斜面の安定】という土木建築の専門紙を読んで多少なりと勉強してからの作業なので見た目にも綺麗に積み上がってきている。

  

 石積作業と同時に石の階段作りも行った。家族皆が手伝ってくれてようやく30平米位の平らな土地が出来上がった。

  

工務店さんにも家族にも感謝です。

  

➃バーベキュー小屋づくり

 

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斜面の一番下の部分に30平米の小さな平らな場所づくりが完成した。着工から約2年掛かり

 

搬入して貰った石・砂利・山土は8車 かなりの量だ、毎回踏み固めてきたので石積みの高さは約2m位積み上がっていた。下から見上げるとなかなか見応えはある。

 

ここでは、焚火やバーベキュー、野菜作り等、四季を通して楽しんで来た。

 

石積みを行って平らな所が出来たけけど、雨風が防げない。

  

 『この場所に我が家専用の屋根付きバーベキュー小屋が欲しい』

  

再び連れ合いからの何気ない言葉! 

 

1992年春 私に新たな課題が与えられた

 

平らになった場所を利用して、専用のバーベキュー小屋の建築だ。

  

幅3m×奥行4.5m位の建築構想がスタートした。

  

※基礎はホームセンターで独立基礎になる部分を6個購入

 

※材木は森林組合の加工場から搬入してもらうことにした。

 

桧材の皮むき丸太 3メートル材 単価1000円程(当時価格)約20本 (トラスを組むための加工も依頼) 

 

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基礎作り

 

基礎穴を掘り栗石を詰めコンクリートで固めた上に独立基礎を乗せた

 

木材加工

 

独立基礎に1本づつ柱を立て上に梁になる部分が乗せられるように加工(ノミ・ハンマー使用)

  

組み立て

 

屋根部分のトラス組み立てZボルトで固定

 

屋根張り(ステンレスの釘で固定)

 

※屋根材は杉のコワ(丸太から角材を取った時に四面から出るもの)を利用(これは当時の価格で一束トラック一杯)で500円 運賃は別

 

防腐剤で全塗装

 

当時はクレオソート油を使用 かなり臭い

 

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ログハウス大全〈PART2〉

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➄2年掛かりで小屋完成

  

写真は25年前の姿

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石積から3年、まだ苔も生えていない綺麗なままだ

  

バーベキュー小屋が出来て雨は何とかしのげるようになった。

 

屋根が、木張りで隙間があるのため雨漏りがする。

  

当時は屋根貼りの方法を理解せづに作業したため仕方がない。

  

今ならコンパネを張ってルーフィングの上からガルバリユム鋼板を張る。

  

 このバーベキュー小屋で沢山の思い出を作った

 

しかし何かが足りない。

  

『自分の山小屋が欲しい!何とかしようよ』 

  

⑥RCで本格的な基礎作り

  

どの程度のログハウスが作れるか、構想を練る毎日が続いた。

 

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簡単なイメージ図を描いては修正 書いては修正 おおよその形が決まったのは1か月後であった。

 

 

 

人が立っていることも困難な急傾斜地に小さなログハウス用の独立基礎を建築

 

急傾斜地に石積を行い、平らにした小さな土地にバーベキュー小屋を建てた。

  

そして、いよいよ小さなログハウス用の独立基礎建築に着工した。

 

独立基礎はRC(鉄筋コンクリート)構造で最下部から全部で9か所と決めた

 

独立基礎建築準備※必要部品の調達

 

➀独立基礎用の鉄筋

 

調達はマンション工事現場の技術者に直接交渉して用途の説明後に工場加工したものを納入してもらった。

  

1ヶ所で必要な鉄筋は縦用8本 

(フープ用 縦の鉄筋周りを囲む形の物)5本1ヶ所合計13本 

  

9か所総合計で117本 鉄筋組立用の番線も購入。

 

※鉄筋購入と同時に組み立て方法や鉄筋と型枠との隙間は5㎝位は確保する等の基本的な作業のポイントを教えて貰った。

  

※素人の私に貴重な時間をさいて詳しく説明して貰えて本当に感謝す。

 

➁型枠用のコンパネ

 

ホームセンターで独立基礎9カ所分のコンパネをカット依頼

1カ所4枚×9ヶ所=36枚

型枠組立用のビス購入

 

➂生コン打設時に膨らみを防止するために型枠ガイド製作

 

600㎜の長ネジで型枠の外側から角材を使って保護

 

独立基礎工事1995年12月着工

 

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➀初めに最下部3か所に基礎穴を掘り

 

底を突き固めた後に石積み用の大き目な石を敷き詰めた。

 

※同じ作業を全9ヶ所で行った。

 

➁底部分にコンクリートを流し込み鉄筋組上げ作業を行う。

  

※初めに作った基礎までは自力でセメントに砂利や砂を入れてこねていたが、あまりにも効率が悪く、地元の生コン業者に依頼するように作戦変更した。

 

※鉄筋組み立てはマンション建築のノウハウ直伝のため強度は抜群のはずだ

  

番線で1本づつ組み上げていく初めて造る本格的なRC建築の醍醐味

 

実践しながら味わえて大変貴重な体験をすることができた。

 

小さなログハウス用の独立基礎に使うには、充分すぎるかも知れない。

 

➂型枠を組み垂直水平を出して固定(水準器や垂直を見る下げ振りを使用) 

   

シンワ ブルーレベル 300mm マグネット付 76379

シンワ ブルーレベル 300mm マグネット付 76379

 

  型枠の内側には薄く油を塗っておいた。コンバネを外すときにコンクリートから剥がれ易く するためだ。

 

※急傾斜地に建てる基礎のため、ここが本当の基準になるので何度も繰り返し確認修正を行い納得がいくまで慎重に作業を行った。

  

垂直を見るのには下げ振りが不可欠でした。

 

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型枠の下部には石を細かく割ったものを積み重ね安定性を増すのと見た目の手作り感を出した。

  

勿論、石のひとつ一つコンクリート補強してある。

 

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④9ヶ所の型枠を組み上げ生コン投入

 

※夏場はコンクリートが早く固まりやすいので、真冬に作業を決行。

  

ところがミキサー車から生コンを下ろしている途中で雪が降りだしてきた。

  

とにかく途中で止める訳にはいかないため、作業続行!

  

外気は氷点下だが、生コンをバケツに詰めて斜面を上がり降りするめ、息が切れて汗も噴き出てくる。

  

単独作業のため一度に全部の生コン打設作業は無理なので2回に分けて行うことにした。

  

小さなログハウス用の独立基礎だか,この生コン作業が体力的に一番キツイ作業だった。

 

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➄アンカーボルトを差し込み

  

最初の基礎には3本だったが、2つ目からは8本に変更。

 

材木を固定する箇所を増やして強度を増すためだ。

 

⑥型枠内に生コンを投入後、型枠ガイドを取り付け膨らみを防止しをた。

  

型枠の周りを軽くゴムのハンマーで叩き、細かい部分にまで生コンが入り込むよう念入りに行った。

  

生コン打設が終わって1週間後、型枠の分解作業だ!

 

コンクリートが型枠内で隙間なく出来ているか緊張する一瞬だった。

 

1枚づつ剥がしていくと、綺麗に基礎が出来上がっていた。

  

真冬の雪が降る中での作業は難航したが、出来上がった基礎をみて感動した。

 

 1996年9月基礎工事完成

 

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⑦地元の檜材で土台建築

  

ログハウスの基礎工事が完成して、土台建築用材料手配のため森林組合に何度も足を運んだ。

  

発注 した檜材は90㎜×90㎜×4000㎜地元でとれた材木を使うのがこの地域の気候に一番合うとの説明もあり安心して檜を購入出来た。

 

一番下の基礎部分を組み立てるのに使用する材料で、まずは30本トラックで搬入。

 

半割の根太も30本購入することにした。補強や足場にも使えるためだ。

 

現地で1本づつトラックから道路脇に降ろしてもらった。

 

加工したばかりの檜材は香りがホントにいい。

 

仕事をしながらの作業なので、木材の加工に入るのは暫く後になるので、搬入されてから暫くはビニールシートで養成。

 

(キクイムシ等にも注意が必要なので防虫塗料も使う)

 

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搬入から1カ月後、最初の1本目を最下部基礎のアンカーボルトに固定した。(失敗の無いように慎重に寸法取りを行う)

 

檜材の穴明けは、当時電動工具が無くて手動のクリックボールを使っての作業だった。

 

基礎部分のコンクリートから水分を吸い上げないようにコーキング剤を材料の下に塗布しておいた。(今ならプラスチック製の薄い板がある)

 

 固定穴の位置もほぼ計算通りで上手く出来た。アンカーボルトに座金を置いてナットで締め付けた。

  

一本目が出来て少しホッとする。

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材木には防虫・防腐に効果があるクレオソート油を塗っておいた。

  

これはかなり臭いがきついのでマスクをしての作業。

 

 クレオソート油は最近あまり見掛けなくなって来たが、クレオトップと言う臭いの少ない人体に対して安全な成分の物が発売されている。

 

下の段の組み立てにはかなり苦労したが、基礎工事で慎重に水平・垂直を出しておいたので、くるいや傾きは無かった。

 

 二段目の基礎柱をどうやって組み上げるか、随分考えた。

  

1段目の土台を組み立て

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頭をフル回転させ、イメージを膨らませた。

 

重機も使わずに単独で4メートルの柱を垂直に立ち上げるには、素人なりのくふうがあった。

  

一番下の基礎部分に4本の柱があるので、その柱の外側に4本張り合わせる様に立ち上げてZボルトで固定する方法だ。

 

材木同士を挟み込みサンドイッチ様に重ねて締め付ける作戦だった。

  

一番下の基礎柱は基礎1個当たり8本の柱を立ち上げる計算になる。

 

穴の位置を測定してはドライバードリルで穴明し、Zボルトを通して締め付ける。

 

その作業の繰り返しでようやく土台の部分を完成させた。

 

 

 

下から見上げるとかなりの建築物に写る、本当なら太い米松で土台を作りたいところだが、単独で思うようにやりたいという結果がこのような組み合わ工法の土台になった。

 

この時点で、よくここまで一人で作り上げたと言う達成感でいっぱいだった。

 

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この状態からは土台を風雨から守るために、木材保護塗料や防水塗料等でかなりの時間作業を続けていたと思う。

  

最上段床面の広さは、幅4m奥行が5m位で、この上にログハウスを乗せる計算。

  

ログ本体は重機が無いと絶対に無理なので、近くでログハウスを手掛けていた人に土台を見に来てもらい、ログ本体の建築を依頼した。

  

完全な高所作業になるし、やはり上物は本職が作らないとちゃんとした物が出来ないと判断した。

  

木製のドアと東側に掃き出しの大きな窓、左右には上下の窓と、いろいろ注文を付けたが、さすがは本職の仕事は早い。

  

依頼してから数カ月で本体が完成!引き渡しとなった。

 

この写真は20年後の今現在の姿であるが、くるいもなく真っすぐに建っている。

 

⑧小さなログハウスが完成 

 

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人間の目はかなり正確で、ほんの少し傾いていても判るからすごい。

 

柱やログ本体が傷まないよう日々の手入れも定期的にやっていくつもりでいる。

 

急斜面に建てたログハウス。

 

上物以外は殆ど単独での作業だったが、鉄筋屋さん・森林組合・生コン屋さん・その他多くの業者さんの手助けがあったことは言うまでもない。

 

石積みから始めて、30年になるが、周囲の樹木もすごく太くなって月日の流れを感じさせる。

 

ログハウスの色も年月を重ねるたびに深みを増してきた。

 

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今年も土台のZボルト増し締めや、傷んだ部分の修復をする準備を進めている。

 

平成の時代をかけて作り込んだ小さなログハウスの記録でした。

  

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ログハウス・メーカー大全―日本の主要ログハウス・メーカーの施工実例と全データ集 (夢丸ログハウス選書)

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