こんにちは
年の瀬なると予期しない時間帯に玄関先でピンポーンと鳴る機会が増えるような気がしませんか?
今回の記事は、いくら忙しい時でも、要らない物はハッキリとお断わりすることが大切という昔を思い出した内容です。
引っ越し前夜の出来事
30年以上前の丁度この季節でした。
引っ越し前日のために夕方薄暗くなるまで部屋のかたずけをしていた時のことです。
玄関ドアを開けて荷物の整理をしていた事で、『こんばんわ』と物腰の柔らかい声で玄関の少し向こうから声を掛けて来た人が立っていました。
『火災が発生し易い季節なので、各家庭に消火器をお配りしています、消防署からの推奨品なのでお安くなっています………』
服装も消防署員らしく紺の上下作業服で編み上げの靴、髪の毛も短くサッパリとして、何処から見ても消防署から派遣された好青年にしか見えません。
やや薄暗い玄関先ではありますが、その姿をはっきり確認することが出来ました。
『悪いけど引っ越しの前なので忙しいから』と言っても、帰る気配が無いし柔らかい口調でゆっくりボソボソと消火器の説明を始めました。
安易に購入した消化器
こちらも忙しいし、そんなに高額ではなかったので、引っ越した後の新しい住まいに1本買っておいても良いかな?と思い、あまり考えずに購入してしまいました。
頭の中は、引っ越しの段取りでほぼ100%埋まっていて、その他の件はサッサとかたずけてしまいたいと言うような状況でした。
購入した消火器は、当時の市販価格よりは少し高めでしたが、それなりの価格であまり違和感を感じることがありませんでした。
暫くして、おかしいことに気が付きました。
しまったと思ったが遅かった!
後から冷静に考えてみたら消防署が消火器を夕方に売り歩くなんて有り得ない話で、その場でおかしいと思い断れば良かったことでした。
こちらも忙しくて面倒だし、まあいいかという気持ちにさせる位の値段なので、そこに付け込まれた感じです。
まあ、騙されたと思って買ってみたという程度のもので、あまり悔しさを感じる程の事はありませんでした。
その消火器は購入後、使用期限の10年間、一度も使う機会も無く破棄してしまいました。
今思い出しても、相手に不信感を全く感じさせない身なりと口調、忙しい時にあえて声掛けをしてくる巧な手口、ポケットマネーでも簡単に払えてしまう価格。
30年以上も前の出来事なのに鮮明にその時の事を覚えています。
人の性格や反応を見極めて、言葉を選んでゆっくりと語る口調
それは持って生まれたものなのか?誰かが指導したものなのか?
それだけの技量があれば、一般の会社に入れば管理職にでもなれそうな気もします。
変幻自在に言葉を変えて、あらゆる性格の人にも対応出来る、まるでAIロボットのような存在です。
決して相手を怒らせる事を言ったりしません。
忙しいからと叱れば、ごめんなさいと素直に謝る、しかもその謝る言葉には感情も込められている。
私はあの時の事をハッキリと覚えていますが、決して怒っている訳ではありません。
何故なら、自分で決めて買ったものだからです。
使わずに破棄したのは良かったこと
そんな苦い思い出のある消火器ですが、幸いな事に新しい住まいに引っ越ししてから一度も使うこともなく、任務(使用期限)を終えることが出来ました。
消火器ほど、使わずに済むことが何よりとおもう防災用品は無いように感じます。
この消火器は、新しい住まいを守ってくれたんだなあ~と破棄する時に想っていました。
自分の失敗?で購入した消火器ですが、使用期限の10年間を無災害で過ごせたのは、日常の注意喚起と併せて、保険的に添えつけられていた消火器が、火災予防と言う面で役立っていたのかも知れません。
まとめ
仕事で各家庭に訪問されている方も沢山みえるので、今の自分に不要な物であれば丁寧にお断りすることも大切だと思います。
忙しさに紛れて、まあいいかと思うのは禁物です。