こんにちは ご訪問ありがとうございます。
今回の記事では1991年の石積み作業から始めて2000年までの約10年の歳月を掛けて作り上げた小さなログハウス 苦労したことや工夫した事を思い出しながらまとめてみました。
目次
急傾斜地を石積みで整地
1991年夏、里山の急傾斜地にネコの額程の土地を購入した。
現地は立っている事が困難なくらいの急傾斜地で、まずは石積をやって平らな所を作ろうと即断即決した。
肝心の石をどうやって調達すれば良いのか?色々調べたりしてみたが、近場で石工事を
していた方に問い合せ地元の工務店さんにお願いしてトラックで運んでもらうことになった。
トラック一車2トン、当時の価格で5000円だった。
石の搬入と併せて砂利・山砂も運んでもらうことになった。
積み上がる達成感!
会社勤めをしながらの石積作業だが、急傾斜地に人が真っすぐに立って居られる土地が出来始めて来た。
石積用の石・砂利・山砂の㍛セットが毎週のように運ばれ、私は毎週末、土曜日曜で石積みを行った。
一カ月の間に14日間も通って石積みをやった月もあったくらい夢中になった。
手作業でしかも単独での石積みで一段づつ積み上がる達成感は半端ではなかった。
石積みの着工から2年掛かりで階段状ではあるが平らな土地が出来上がった。
山側に75度の傾斜を付けた
石を積み上げる時の工夫として、斜面の安定という専門紙を勉強し、山側に約75度の傾斜を付けて積み上げた。
石を並べて隙間に砂利を詰め込み、土を入れて踏み固める作業をして行く中で、自然崩壊を防ぐためにも傾斜をつけた。
独立基礎作り
構想を立てる毎日
出来上がった石積みの段にログハウス用の独立基礎づくりの構想を立て始めた。
あの頃はどの程度のログハウスが作れるか、イメージを膨らませる毎日だった。
簡単なイメージ図を描いては修正 書いては修正 おおよその形が決まったのは1か月後であった。
構想が決まり、独立基礎に必要な資材の準備から始めた。
独立基礎に必要な資材集め
独立基礎用の鉄筋
調達はマンション工事現場の技術者に直接交渉して用途の説明後に工場加工したものを納入してもらった。
1ヶ所で必要な鉄筋は縦用8本
(フープ用 縦の鉄筋周りを囲む形の物)5本 1ヶ所合計13本
本9か所総合計で117本 鉄筋組立用の番線も購入。
基礎工事作業のポイントを教えて貰えた
※鉄筋購入と同時に組み立て方法や鉄筋と型枠との隙間は5㎝位は確保する等の基本的な作業のポイントを教えて貰った。
※素人の私に貴重な時間をさいて詳しく説明して貰えて本当に感謝。
型枠用のコンパネ
ホームセンターで独立基礎9カ所分のコンパネをカット依頼
1カ所4枚×9ヶ所=36枚
型枠組立用のビス購入
生コン打設時に膨らみを防止するために型枠ガイド製作
600㎜の長ネジで型枠の外側から角材を使って保護
いよいよ小さなログハウス用の独立基礎建築に着工した。
独立基礎はRC(鉄筋コンクリート)構造で最下部から全部で9か所と決めた。
基礎工事着工(1995年12月)
①最下部3か所に基礎穴を掘り
②底を突き固めた後に石積み用の大き目な石を敷き詰めた。
③※同じ作業を全9ヶ所で行った。
④底部分にコンクリートを流し込み鉄筋組上げ作業を行った。
⑤型枠の下部には石を細かく割ったものを積み重ね安定性を増すのと見た目の手作り感を出した。
勿論、石のひとつ一つコンクリート補強してある。
型枠で重要な水平垂直は水準器と振り下げ
独立基礎の型枠を組み立てる時は、水平・垂直を完璧に出しておかないと、傾きが出るため慎重に作業を進めた。
水平は水準器・垂直は振り下げを使って何度も確認しながら作業を進めた。
9ヶ所の型枠を組み上げ生コン打設
※夏場はコンクリートが早く固まりやすいので、真冬に作業を決行。
ところがミキサー車から生コンを下ろしている途中で雪が降りだしてきた。
とにかく途中で止める訳にはいかないため、作業続行!
外気は氷点下だが、生コンをバケツに詰めて斜面を上がり降りするため、息が切れて汗も噴き出てくる。
単独作業のため一度に全部の生コン打設作業は無理なので2回に分けて行うことにした。
小さなログハウス用の独立基礎だか,この生コン作業が体力的に一番キツイ作業だった。
本当に苦労した!
アンカーボルトを差し込み
生コン打設後は固まらないうちにアンカーボルトを差し込んだ。
最初の基礎には3本だったが、2つ目からは8本に変更。
材木を固定する箇所を増やして強度を増すためだ。
独立基礎工事完成(1996年9月)
苦労した基礎工事がようやく完成!着工から9ヶ月要した。
独立基礎づくりでくふうしたポイント!
2024年3月現在の独立基礎写真
木造で土台建築
ログハウスの基礎工事が完成して、土台建築用材料手配のため森林組合に何度も足を運んだ。
地元の気候に合う檜材を使用
発注 した檜材は90㎜×90㎜×4000㎜地元でとれた材木を使うのがこの地域の気候に一番合うとの説明もあり購入。
一番下の基礎部分を組み立てるのに使用する材料で、まずは30本トラックで搬入。
半割の根太も30本購入することにした。補強や足場にも使えるためだ。
現地で1本づつトラックから道路脇に降ろしてもらった。
ビニールシートで養成
加工したばかりの檜材は香りがホントにいい。
仕事をしながらの作業なので、木材の加工に入るのは暫く後になるので、搬入されてから暫くはビニールシートで養成。
(キクイムシ等にも注意が必要なので防虫塗料も使う)
搬入から1カ月後、最初の1本目を最下部基礎のアンカーボルトに固定した。(失敗の無いように慎重に寸法取りを行う)
防水対策にコーキング材を使用
檜材の穴明けは、当時電動工具が無くて手動のクリックボールを使っての作業だった。
基礎部分のコンクリートから水分を吸い上げないようにコーキング剤を材料の下に塗布しておいた。(今ならプラスチック製の薄い板がある)
固定穴の位置もほぼ計算通りで上手く出来た。アンカーボルトに座金を置いてナットで締め付けた。
一本目が出来て少しホッとする。
材木には防虫・防腐に効果があるクレオソート油を塗っておいた。
サンドイッチ方式で角材を組み合わせ
最下部の基礎に固定した角材の上にどの様にして組み上げて行くか?頭をフル回転させ、イメージを膨らませた。
重機も使わずに単独で4メートルの柱を垂直に立ち上げるには、素人なりのくふうがあった。
一番下の基礎部分に4本の柱があるので、その柱の外側に4本張り合わせる様に立ち上げてZボルトで固定する方法だ。
材木同士を挟み込みサンドイッチ様に重ねて締め付ける作戦だった。
一番下の基礎柱は基礎1個当たり8本の柱を立ち上げる計算になる。
穴の位置を測定してはドライバードリルで穴明し、Zボルトを通して締め付ける。
その作業の繰り返しでようやく土台の部分を完成させた。
この時はMakitaのドライバードリルとインパクトドライバーを使った。
スポンサーリンク
下から見上げるとかなりの建築物に写る、本当なら太い米松で土台を作りたいところだが、単独で思うようにやりたいという結果がこのような組み合わ工法の土台になった。
この時点で、よくここまで一人で作り上げたと言う達成感でいっぱいだった。
この状態からは土台を風雨から守るために、木材保護塗料や防水塗料等でかなりの時間作業を続けていたと思う。
最上段床面の広さは、幅4m奥行が5m位で、この上にログハウスを乗せる計画だった。
ログ本体はメーカーに依頼
ログ本体は重機が無いと絶対に無理なので、岐阜県のログハウスメーカーに土台を見に来てもらい、建築を依頼した。
完全な高所作業になるし、やはり上物は本職が作らないとちゃんとした物が出来ないと判断した。
木製のドアと東側に掃き出しの大きな窓、左右には上下の窓と、いろいろ注文を付けたが、さすがは本職の仕事は早い。
依頼してから数カ月で本体が完成!引き渡しとなった。
小さなログハウスが完成
ログハウスが完成して20年以上になるが、基礎工事を慎重に行ったことが幸いして
今でも垂直・水平のクルイは殆ど発生していない。
人間の目はかなり正確で、ほんの少し傾いていても判るからすごい。
柱やログ本体が傷まないよう手入れも定期的にやっている。
まとめ
急斜面に建てたログハウス
上物以外は殆ど単独での作業だったが、鉄筋屋さん・森林組合・生コン屋さん・その他多くの業者さんの手助けがあったことは言うまでもない。
楽しかった石積み作業 石を探すのに苦労したが積み上がる達成感が半端ではなかった。
本当に苦労した基礎づくりで真冬の生コン作業
4メートルの檜材を垂直に立ち上げ固定するのにサンドイッチ工法で行った。
石積みから始めて30年以上になるが、周囲の樹木もすごく太くなって月日の流れを感じさせる。ログハウスの色も年月を重ねるたびに深みを増してきた。